2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

故都素描−江文也の組曲

江文也の組曲「故都素描」を聴くと、なぜか宮沢賢治の「風景スケッチ」とか藤村の「千曲川旅情の歌」を思い出す。どこまでも特定の郷土と歴史に根ざしながら、不思議なコスモポリタニズムを実感するのである。時代の巡り合わせで、彼は日中両国の板挟みにな…

江文也の「北京銘」を読む

江文也の書いた「北京銘」その他の随筆を読む。彼の中国と北京に寄せる思いがひしひしと伝わる。あたかも、昔時、ゲーテやギボンがイタリアを旅して古代ローマの遺跡を目の当たりにした感激と似たものを感じる。ヨーロッパ人にとってローマは永遠の都である…