江文也の組曲「故都素描」を聴くと、なぜか宮沢賢治の「風景スケッチ」とか藤村の「千曲川旅情の歌」を思い出す。どこまでも特定の郷土と歴史に根ざしながら、不思議なコスモポリタニズムを実感するのである。時代の巡り合わせで、彼は日中両国の板挟みにな…
江文也の書いた「北京銘」その他の随筆を読む。彼の中国と北京に寄せる思いがひしひしと伝わる。あたかも、昔時、ゲーテやギボンがイタリアを旅して古代ローマの遺跡を目の当たりにした感激と似たものを感じる。ヨーロッパ人にとってローマは永遠の都である…
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