原子力神話からの開放ー高木仁三郎氏の予見

原子力神話からの解放 -日本を滅ぼす九つの呪縛 (講談社+α文庫)

原子力神話からの解放 -日本を滅ぼす九つの呪縛 (講談社+α文庫)

は十一年前に刊行された書物であるが、現在読んでも全く古さを感じさせない。いや、現在再び読まれなければならない本であろう。
日本を滅ぼす九つの呪縛からの開放を著者は求めている。

(1)「原子力は無限のエネルギー源」という神話 (2)「原子力は石油危機を克服する」という神話 (3)「原子力の平和利用」という神話 
(4)「原子力は安全」という神話 (5)「原子力は安い電力を提供する」という神話 (6)「原子力は地域振興に寄与する」という神話
(7)「原子力はクリーンなエネルギー」という神話 (8)「核燃料はリサイクルできる」という神話 (9)「日本の原子力技術は優秀」という神話

原子力問題現在とこれから」、と題して著者は四つの問題点を挙げているが、これが十一年後の現在でも未解決であることを認めねばなるまい。

(1)原子炉の老朽化症候群 (2)原子力産業の斜陽化症候群 (3)廃炉の時代の諸問題 (4)放射性廃棄物と余剰プルトニウム問題