江文也の組曲「故都素描」を聴くと、なぜか宮沢賢治の「風景スケッチ」とか藤村の「千曲川旅情の歌」を思い出す。どこまでも特定の郷土と歴史に根ざしながら、不思議なコスモポリタニズムを実感するのである。時代の巡り合わせで、彼は日中両国の板挟みにな…
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