「安心科学アカデミー」というNPO法人ー放射能の「安心宣伝」が設立の趣旨とのこと

安心科学アカデミーなるNPO法人があって、そこのWEBで、弱い放射能は恐れるに足らないという「安心」の宣伝をしていることに気づいた。そこでは、このアカデミー委員会の理事である辻本氏が次のようなことが謂われている。

東京電力株式会社の柏崎刈羽発電所でのプルサーマル計画実施の是非を問う住民投票が2001年5月27日に刈羽村の住民(有権者数4,090人)に対して行われた。プルサーマル計画は国の核燃料サイクル政策の柱で、国のエネルギー政策に対して非常に重要である。そのため、政府、電力会社は必至になってプルサーマルの安全性について説明された事と思う。ところが、結果は反対派が多数を占めた。「安全でも安心出来ない」と言うのがその答えである。そこで、東京電力株式会社では「プルサーマル推進本部を早急に新設し、幅広い理解活動に取り組んでいく、経済産業省も「政府を挙げプルサーマル推進に向けた活動を目的に関係府省による連絡協議会を設け、実績などを示して地道に説得していく」などの考えを表明している。このように電力会社や政府はプルサーマルの技術的な安全性、実績などについて正しく伝え、エネルギー間題や原子力政策についての考えを解ってもらおうとしている。・・・
住民にエネルギー及び放射線についての知識を正しく理解して頂くために、国及び企業は常にマスコミを通じた記者発表、広報誌及び説明会等による説明を行なっている、さらに第3者機関やPR機関を通じてオピニオンリーダー等を育成して、住民の中にとけ込ませて、原子力放射線の理解に努めている。また、学協会は独自の立場で住民との接触を図り、原子力放射線の理解を深めようとしている。

つまり日本の原子力ロビーの宣伝活動の一環として、プルサーマルの安全性を説明し、放射能汚染への不安を取り除き、国の原子力政策を視診するための宣伝機関として、この「アカデミー」なるものが設立されたことを、理事長の辻本氏自身が明言しているのである。言論は自由であるから間違った言説を発表することも自由であるが、潤沢な宣伝資金をもつ原子力ロビーがバックにあるとなるとこれは問題である。
この設立趣旨を見る限り、原子力発電所の周辺に住む住民の安全のことなど、アカデミーの設立者は毫も考えていないのである。彼らは国策である原子力を推進し、プルトニウムを使うプルサーマル計画を推進するために、住民に主観的な「安心感」を与えるために、科学の装いを凝らした宣伝をやっているに過ぎない。近藤宗平氏をはじめとして、こんないかがわしい団体に協力している日本の大学の「先生」がたの見識を疑わざるを得なかった。